こんにちは。ValueWorksの赤津です。
【Skills & Drills】カテゴリーでは、バスケットボールを通じて成長するために必要な
知識、態度、技術、習慣(KASH)
についての情報を不定期でお届けしています。
5歳から15歳を中心に
高校生〜B.LEAGUE選手まで
にトレーニングを提供する中で得たリアルな体験や
ポイントをお伝えさせていただくことで
指導に悩みを持っていたり、より成長したいコーチ、保護者、選手のお役に立つことが出来たら幸いです。
【Skills & Drills】を初めて読む方は是非こちらのリンクをご一読ください。
今回は今後オフェンスのパーソナルスキルやドリルを構築する上で、見直しておきたい大切なバスケットボールの知識を振り返りたいと思います。
当たり前の事かも知れませんが、改めて振り返ると何かの気づきがあるかも知れませんので、ご一読頂けると幸いです。
オフェンスとディフェンス
ほぼ全てのチームスポーツでは、オフェンスとディフェンスという状態にわかれ、目まぐるしく攻守が切り替わる中で得点を奪い合い観客を熱狂させます。
そのオフェンスとディフェンスはボールをどちらのチームが保持しているかで判断されます。
一般的には自分、または自分が所属するチームの誰かがボールを保持すれば、自チームがオフェンスで相手チームがディフェンスですね。
スポーツは得点を取る事で勝敗を決めるものですので、スポーツの主体はオフェンスであると仮定させてください。
ボーリングのようにディフェンスが存在しないスポーツもありますが、ディフェンスをつける事で、
常に選手がゲームに関わるエキサイティングなスポーツが誕生する可能性も秘めています。
※主観です。
それではスポーツの主である、オフェンスについて少し深掘りしてみたいと思います。
オフェンス時の自分の状態
自チームがオフェンスの場合には大きく分けて自分はどのような役割があるでしょうか。
大きく分けると、次の2つの役割に別れます。
ボールを保有しているボールマンと
ボールを保有していないオフボールマンです。
トレーニングメニューを組み立てる際は、この2つの状況を作り出し、それぞれの状態を明確にする事で、ゲームに活かせるトレーニングにする事ができます。
コーチはチームの目標と状態に合わせてドリルを処方する事が大切な仕事になります。
さて、今回はボールマンの状態についてもう少し考えて見ましょう。
ボールマン3つの状態
ボールマンには大きく分けて3つの状態があります。
是非一度考えてみてください。
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ボールマンの状態
バリューワークスではボールマンには次の3つの状態があると指導しています。
LIVE BALL (ライブボール)
パスをもらう、リバウンドを取る、相手からボールをスティールするなどを行い自分自身がボールを保持した際に生まれる状態をライブボールと呼んでいます。
パス、ショット、ドリブル
を選択する事が出来るバスケットボールでは基本となるトリプルスレットを作る事が出来る唯一の状態です。
スレッドスウィングやピボット等の
ライブボールのスキルを磨く事で、
オフェンスの安全性、脅威性が非常に高まります。
パスとショットを選択すると、
ボールマンはオフボールマンに変わり、
ドリブルを選択すると次のボールマンとしての状態に遷移する事が出来ます。
Dribbling (ドリブリング)
ライブボールからドリブルを選択すると、ドリブリングという状態に移ります。
ドリブルを付いている間は、ボールを保持しつつ自由に動き回る事が出来ます。
日本ではドリブルを突くなと指導されて来た時代もありましたが、
現代バスケでは、ドリブルスキルが高いことが前提に、
ドリブリングの状態がオフェンスにとって最強の状態であると考えています。
その理由の1つにボールを保持し、ボールを守りつつ、
パス、ショット、ダウンヒル、カウンター
というか4つのスキルでディフェンスにダメージを与える事が可能だからです。
この4つのスキルを選択できるドリブリングのスキルをバリューワークスナビゲーターであり、Next Level Athlete代表である竹原勝也は
4-D
と呼び、普及するために全国を駆け回っています。
4-Dを学びたい方はフェイスブックより
竹原勝也の投稿をチェックしてください。
但し、ドリブルを最強の武器にするためには、
ライブボールのスキルを磨く以上にボールを使ったトレーニングを行う必要があります。
ロサンゼルスではどこのスクールでも地道なドリブルトレーニングを
正しい姿勢、正しいフォームを意識させた上で日々反復しています。
それが観客を熱狂させる華麗なドリブルを生み出す唯一の方法だと考えています。
パス優先?ドリブル優先?
おそらく、皆様の頭の中には
「ドリブルを突きすぎてはいけないだろう」
という考えがあると思いますが、
それは大正解だと思います。
パスやオフボールのプレーだけで、ゴールまでたどり着けたらそれが理想です。
下手にドリブルが好きな選手はオフェンスの血流を止めオフェンスを殺してしまいます。
バリューワークスでも、ドリブルトレーニングを重点的に行いながら
パスファースト、ドリブルラスト
を伝えています。
しかし、レベルが高まるほど簡単にパスだけではディフェンスを崩すことは困難になります。
サッカーでも昨今そう叫ばれているように、
いざとなったら1on1でのドリブル突破が重要となります。
ドリブルで目の前のディフェンスを交わす事で
アウトナンバーを作り出し、誰かがノーマークになる事で得点確率をアップすることが可能です。
また、ドリブルトレーニングをおこなう事で、手首や足腰が強化され、パスやショットの精度を高め、飛距離を伸ばす事が可能となります。
ドリブル中には様々なディフェンスシチュエーションに対応できるため、
ゲームで選択する優先度は最優先ではなくても、
選択すべき回数は多く、
オフェンスの安全性や脅威性、しいては
ショットの確実性を高める上でもっともトレーニングすべき状態と言えるでしょう。
子供のうちからドリブルスキルは身につけておくべきで、バリューワークスには子供でもスキルを習得しやすいように、スキルをリズムで定義するリズムドリブルを提唱しています。
それではライブボールからドリブリングに移り、ドリブルを辞めてしまった場合に発生する次の状態に移りましょう。
DEAD BALL(デッドボール)
ドリブリングの状態で、パス、ショットを行わずボールを止めてしまった場合に生まれる状態が
デッドボールです。
生まれながらに死んでいる、、、
避けたい状態です。
ドリブルを突くことができず、移動はピボットに限定されるためディフェンスに距離を詰められ易く、その場合には5秒以内にボールを手放さないとバイオレーションが発生してしまいます。
ディフェンスはオフェンスがデッドボールの状態になったら、
「Stick Stick!」
と合図をだし、それぞれのディフェンスがプレッシャーを強めることで時間を味方にしオフェンスに対して優位に立つ事が出来ますね。
逆にオフェンスはデッドボールの状態になっても有効なパスを出すためのピボットや、最悪の状態であるターンオーバーを回避するためのチームとしてのリスクマネジメントの知識が必要となります。
また、デッドボールも2つの状態に別れます。
ピボットフットが床に付いている
プラントデッドボールと
ピボットフットを持ち上げてしまっている
ジャンプした状態の
フライトデッドボールです。
※バリューワークスでの造語となります。
フライトデッドボールは主にパスを出すために飛んでしまうパターンです。
パスが出来ず着地してしまうトラベリングや
空中で無理にパスをだしスティールされるなどのターンオーバーを誘発しやすいので、
しっかりとストップし、床に根を張りプラントしてデッドボールをコントロールする習慣を身につけさせたいですね。
ジュニア世代以下では、このフライトデッドボールを無闇に使ってしまうことで
ターンオーバーを誘発し相手に得点機会を与えてしまうことが多いです。
まとめ
今回は大まかに3つのボールマンの状態をご紹介しました。
それぞれの状態のメリット、デメリットを理解した上で選手に理解させ、
それぞれの状態のスキルを身につけさせるためにドリルを提供していくことがコーチとしての大切な仕事であり、
ディフェンスとの距離を見ながらそれぞれの状態のスキルを使い分けていくことが、良い選手になるための一歩と言えるでしょう。
ライブボール
ドリブリング
デッドボール
次回以降ではそれぞれの状態の基礎的なスキルや子供達がぐっと伸びるトレーニング方法を少しづつお伝えして行きたいと思います。
多くのコーチと考え方やトレーニング方法を共有し、1人でも多くの選手により良いトレーニング環境が提供され、
才能溢れる選手が、勤勉なコーチと出会う確率が高まり、その能力を充分に発揮させ
日本代表が日本中を熱狂させる日が近づけばとても素敵だなと思います。
そのためには自分自身が学び続け、伝え合い、選手以上に成長しないといけないと思っています。
Just try it.
※是非ブログカテゴリーから【Skills & Drills】をご確認下さいね!
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