神奈川スーパーソニックスの移籍ポリシーについてお知らせ致します。
移籍の目的
移籍者(保護者含む)、移籍元、移籍先の三者が情報を共有した上で移籍先、移籍元双方の選手を第一に考えた移籍を実現すること
移籍が発生する要因
移籍は次の理由で発生する事が考えられます。
①移籍者が移籍元(主に部活)と移籍先(主にクラブ)の両方で活動を行うことになった
② 移籍者と移籍元の関係性が悪くなった
③ 移籍者が移籍元よりも移籍先のチームに魅力を感じた
④ 移籍元が何らかの理由で活動を停止した
詳細・考え方
移籍の起因は上記に記載しました。
移籍は非常にシビアな問題ですので、慎重に扱わなくてはなりません。
我々神奈川スーパーソニックスは、立ち上げから主に① ② ③の移籍を経験し、移籍に関するポリシーを設置する重要性を学んできました。
それぞれのケースで考え方を踏まえて対応についてご案内させていただきます。
① 移籍者が移籍元(主に部活)と移籍先(主にクラブ)の両方で活動を行うことになった
8割以上の移籍がこちらに該当します。この場合、「部活動優先」のポリシーを掲げ、選手の成長や、部活動での活躍をサポートする事を第1に考えて移籍手続きを行います。
移籍元の責任者となる先生には、移籍先の私からお手紙を作成し、部活優先であることや協力して選手を育成すること、先生をクリニックに招待するなどして、共に指導の情報を共有していきたいことなどをお伝えさせで頂いております。
川崎市のチームからは「SSさんは部活優先で上手くしてくれるから本当に助かっています」とご評価頂いております。
② ③のケースの場合
こちらは両方がくっついたり離れていたりと関連するケースになり、主にクラブとクラブ間での移籍に発生します。
この場合、我々が移籍元でも移籍先でも必ず相手方の責任者と連絡をとらせていただきます。
手法は電話やメールなどです。
我々が確認しなければならないのは、本当にこの移籍が選手のためになるのかです。
例えば移籍元コーチに問題があるのであれば、移籍先コーチにその内容を伝えて同じ過ちを繰り返させない事。
移籍先チームに魅力があるならば、その実態が本当なのか確認する事
そして移籍先に何らかの条件の不一致があれば移籍元は選手(保護者)へ違う移籍先を進めることも大切だと思います。
忘れてはいけないのは、選手(保護者含む)に問題があるケースです。
先日の日本スポーツ協会の研修でも「毒親」という表現がありましたが、選手(保護者含む)の問題で移籍が発生するケースもございます。
この場合、移籍元が移籍先になんの情報も伝達せず選手を移籍させてしまった場合、遅かれ早かれ今度は移籍先で問題が発生する可能性が出てきます。
移籍先の選手(保護者含む)に迷惑がかかる可能性があります。
それを選手のための移籍と呼べるでしょうか。
目先のことだけを見ればそうかもしれませんが、長い目で見た時に問題を与えてしまうかもしれません。
ですから、必ず移籍先にも情報を共有し、それでも受け入れるかどうかの判断に繋がる情報を与える必要があります。
「選手のために早く移籍を進める」
という手短な選手ファーストでは、本当に選手のためを思った移籍は実現しません。
何事にも起こった事象の事実確認、背景の確認が必要なのです。
移籍によりチーム同士の関係性が崩れてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、移籍は選手(保護者)の意思だけではなく、移籍元、移籍先のコーチのコミュニケーションが必要になると考えております。
④に関しても、移籍元チームは責任を持って選手が移籍できる様に情報共有を行う必要があると考えております。
移籍ポリシー
上記を踏まえ、神奈川スーパーソニックスでは移籍に関しては次のルールを設けます。
弊チームが移籍元の場合
移籍希望日から少なくとも1ヶ月の猶予を設けること
移籍先が決まってからの移籍先との移籍情報共有となること
上記が終わるまでは移籍届は作成しないこと
弊チームが移籍先の場合
必ず移籍先にお手紙を届け、弊チームの考え方や育成環境・情報を伝えること
最後に
神奈川スーパーソニックス女子はチームを作り直すことになりました。
理由は代表である私が制度を一気に作り変えようとしたからです。
具体的には、これまでの赤津のトップダウンから、保護者中心の保護者議会を設置し、チーム運営の意思決定を行うというものでしたが、
賛成13票、反対17票での否決となりました。
それにより、赤津のトップダウンのままで良いという保護者からの意思表示がなされ、特に男子では保護者議会の制度への理解者が多く、沢山の保護者の方が自ら行動し、かつてないほどの団結力が生まれました。
一方で女子は大きなハレーションを生み、様々な誤解と言わざるを得ない意見が届き、一つ一つ根拠をもって説明をしていった結果、ほぼ全員の選手が退会をするという形になりました。
私にとっても非常にショックな出来事で、同じ方針や対応で動きながら、なぜこんなにも結果が違ってしまったのか、打ちのめされずに反省して前を向いて走るしかありません。
その中でも、同じ地域の別クラブへ移籍する保護者からは、繁忙期の中移籍手続きを急ぐ様に急かされ、移籍先のコーチからは事情も伝えさせてもらえることもなく、「選手の移籍届はやってあげてくださいよ」と一方的に指示されるだけでした。
この移籍により、我々は多くの事を学ぶことになり、この移籍ポリシーの制定に動くこととなりました。
移籍は選手にとって薬にも毒にもなります。
そして、その結果を左右するのは指導者しかいないと言うのも事実だと思います。
我々が移籍に対して共通のポリシーを持ったり、相手のポリシーを理解することで、今後移籍で選手が苦しむような事が減ってくるのではないかと考え、
こほポリシーを皆様へご案内させて頂きました。
今後とも神奈川スーパーソニックスの選手を何卒よろしくお願いします。
2023年11月25日
赤津 誠一郎
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