こんにちは!赤津です。
帰国早々に私が取った行動は
「シン・ゴジラ」
を観に行くことでした(笑)
I’m big fan of GODZILLAなんです。
想定外の事態が起きた時に、国家が意思決定するまでのプロセスにリアリティを感じ、終始緊張感に包まれ非常に素晴らしい映画だったと思います。
バスケを指導する上では、出来るだけ想定外の事態を避けるために準備させたいものですが、想定外の事態が起きた時に対処できる能力を身につけさせる事も大切になるでしょうね。
さて、竹原勝也さん(以下、竹さん)主催のelite-8 LA Basketball Campのレポート第3弾となります。
今回は良い選手を心技体の観点で捉え、LAのキャンプではどのようなメニューを消化してきたのかをご紹介します。
とはいえ、細かいメニューについてではなく、「Good player」を育てるために「心技体」の観点から
どのような練習メニューが組み立てられていたのかをお伝えします。
現在では、私が子供の頃には考えられないほど、簡単にスキルや練習メニューをインターネットから取得する事ができます。
ただし、メニューを消化させるだけでは上手い選手に育てることは出来ても、「Good player」を育てる事は出来ないと考えています。
このレポートを是非練習メニューを組み立てる上でのヒントにしていただければ幸いです。
① コミュニケーション能力を高めるメニュー
キャンプで長女に最初に与えられたメニューは大勢の前で「
他己紹介」を行う事でした。
笑いあり、笑いあり、笑いあり、とにかく終始にぎやかな時間でした。
ValueWorksでも練習メニューに「プレゼン力」を高めるメニューを取り入れています。
最近ちょっとおざなりになっていた事もあるのですが、改めて強化していきたいと思いました。
仲間を知ること、仲間を紹介出来ること、人前でどうどうとスピーチできること。
仕事に置いても大切なことですよね。
その他、合間合間に目隠しをして仲間を誘導するようなメニューもありました。
「疲労を取ること」や「飽きさせない」工夫もアメリカのコーチは素晴らしいなと感じました。
② 感謝を伝えるメニュー
前回もお伝えしましたが、シュートを決めた選手はアシストをした選手に感謝を表現し、
シュートを決めた選手をチーム全員で称えないと得点にならないような練習メニューなどがありました。
アメリカの子は、全身で喜びを伝えます。でも日本の子は最初はどこかギクシャクしていました。
そんなことやったことが無いから当たり前ですよね。私もないですし、やらせたこともありませんでした。
それでも最後にはみんな全身で喜びを分かち合えるようになっていました。
味方も相手も称えあえるような人間性を持ったプレーヤーに成長していたのです。
願わくば、日本に帰っても継続し、文化を作っていってもらいたいと思います。
コーチ、よろしくお願いします!
③ 相手を分析するメニュー
NBAではディフェンダーとして活躍したHawkからはディフェンスの心構えを学びました。
「相手を分析し、強みと弱みを見抜くこと」
聞き手は?利き足は?癖は?ジャンパーの精度は?
練習中から、そのように意識をさせた1on1をさせることで、
試合にも活きますし、切磋琢磨しより良い選手に育つと思います。
【技】
① 合図と応答
NIKE CAMPとJason Write、Jordan Lowleyのメニューには、必ず「合図と応答」がありました。
合図がなったらこのように反応するという決まりごとがあり、選手は瞬時に対応しなければいけません。
反射神経も鍛えられますし、選手は常に準備をするという緊張感に包まれます。
これも「飽きさせない」ための工夫なんだなと感じました。
② 分解と積上げ
LAでのワークアウトは日本以上に「ドリルメニュー」を重要視しています。
そのドリルをさらに分解し、細かい単位でフォーカスし積上げていく。
ゴールを決めればOKではなく、その単位一つ一つの精度に気を配る。
HawkのJr.NBAに所属するU-10の選手も一つ一つのプレーの精度が非常に高かったです。
また、Jason Croweの8歳の子供も、大人顔負けのシュートフェイク、シュートフォームでした。
正直、日本人の誰よりも、その8歳の子のほうが一つ一つのプレーの質が高かったです。
動画から練習メニューを真似る場合も、是非「分解と積上げ」を行ってください。
竹さん(竹原勝也さん)のクリニックは常に「分解と積上げ」があります。
さらに、「自ら考える」ということもスパイスとして加えられています。
まさに、想定外の事態にも対応するためのトレーニングを、知らぬ間に与えられていたのです。
そんなことにも気づくことが出来ました。
③ 「ボールハンドリング = ボディーハンドリング」を高めるメニュー
分かりきった上で期待してキャンプに参加したのですが、やはりLAでは「ボールハンドリング」や「ドリブルドリル」が非常に大きなウエイトを占めていました。
日本人は個人アップでは大抵シューティングしかしませんが、アメリカではドリブルから仕掛けたシューティングが目に付く程、通常の練習にドリブルが取り入れられています。
(その他にもポイントがあるのですが、それは竹さんのクリニックか私やT’s Factoryのワークアウトに参加していただければと思います)
私の世代では「出来るだけドリブルをつかず、走って得点を取れ」と言われていましたので、
私はほとんどドリブル練習をしたことがありませんでした(汗)。
情けないことに35歳まで「レッグスルー」も「ビハインドバック」もまともに出来ませんでした(笑)。
この1年間、子供達に教えるために、練習の合間にドリブルメニューを自分に課し、様々なドリブルを強く、速くつけるようになりました。
(35になってもスキルは向上するんです!びっくりしました。)
その結果、自分のプレーの精度や選択肢の幅が広がり、より得点力がアップし、ターンオーバーが減り、バスケが楽しくなってきました。
1,2回のドリブルに命を込めるために、ドリブルメニューを消化する。
コンフォートゾーンを超え、より上のコンフォートゾーンを目指す。
(出来たら終わりではなく、より強く、より速く)
だから、どんどんミスをする。ミスオッケーな文化を作る。
(人前でミスっても恥ずかしがらない)
自然と、その強さ速さでもコントロールできるようになる。
気が付いたらリストが強化され、シュートの飛距離も制度も高まり、パスのスピードも上がっていました。
ボールハンドリングは「ボディーハンドリング」なのです。
そして、バスケが本当に楽しくなります。
身をもって体験しているので本当です。
下手でよかった~(笑)
【体】
Peteの生徒は怪我が少ないそうです。その理由はキャンプのメニューから知ることが出来ました。
ストレッチは「Band」、「Static」、「FoamRoll」と3つのメニューを消化します。
Bandはゴムバンドを使います。FoamRollは最近日本でも流行っていますね。
そして、コアトレやプッシュアップ、ランジ、スクワット、ラダー、懸垂、トレーニングロープでしっかりとフィジカルも鍛えます。
普段行っている練習の動画も見せてもらいましたが、10代の女の子たちがタイヤは転がすわ、
ゴムチューブの引力に抵抗してシューティングをするわ、徹底したフィジカルの強化が行われていました。
筋力がある程度なければ、ボディーコントロールは出来ないと私は考えています。
ですので、私の家のリビングには「うんてい」もありますし、長女には幼いころから水泳と体操をさせています。
その考え方は間違っていなかったようで、Peteは7歳にもしっかりとフィジカルトレーニングを与えていました。
「筋トレをすると背が伸びない」という迷信を信じ、高校卒業までマジメに筋トレをしなかった私。
「ドリブルは1、2回つければいい」という迷信を信じ、35歳までドリブル練習なんかしたことがなかった私。
そりゃ上手くなりっこないよね・・・。
さて、あえて細かいメニューは紹介しませんでしたがいかがでしたでしょうか。
Value Worksでは出張でスポットのワークアウトも開催しています。
ただ練習メニューをあたえることが目的ではなく、選手が自ら「良い選手」を目指すための文化づくりを大切にしています。
(選手が勝手にうまくなってくれたらコーチは楽ですよね?)
スキルトレーニングとチームトレーニングは分業すべきと考えていますので、
お仕事で忙しいコーチの負担を少しでも減らし、生徒の情熱を少しでも高めるためのお手伝いをさせていただけたら幸いです。
ブログではお伝えしきれないことも、生の空気感でお伝えできると思います。
まずは相談レベルでお声がけいただけたら幸いです。
次回でLAレポートは最後になります。
少しでも自分の経験を皆様にお伝えできたら嬉しいです。
JUST DO IT!
福島の子供達とコーチ達に早く会いたい!