こんにちは!バリューワークスSDの後藤です。
今、私はロサンゼルス行きの飛行機に乗っています。ここからしばらくバスケ漬けの日々を過ごせると思うととてもワクワクしています。
さて、私のコラムもそろそろ大枠のものだけでは物足りなくなってきたので具体的な戦術についても触れていきたいと思います。
今回は、現在川崎スーパーソニックス(以下川崎SS)でも導入しているドリブルドライブモーション(以下DDM)について紹介していきたいと思います。
ドリブルドライブモーション(DDM)とは?
ドリブルドライブモーションオフェンスは2000年代に入ってから台頭した、現在世界中で最も多くのチームに採用されているであろうオフェンスシステムです。
このシステムはヴァンス・ウォルバーグが考案したものであり、ジョン・カリパリがこのシステムを用いてデリック・ローズを擁するメンフィス大をNCAAトーナメントで躍進させたことで有名になりました。
このシステムが画期的だったのは、それまで主流だったパスを中心とした複雑で連携が深まらなければ完成度も低いオフェンスシステム(トライアングルオフェンスやプリンストンオフェンス)とは違い、ドリブルを中心としたシンプルな原理原則を用いながら効率性もあるため、連携の深さを前者よりも必要としないシステムであったことです。
また、それまでの隣り合うオフェンスの適正なスペーシングが約18フィートだったのに対して、DDMはそれ以上のスペース(いわゆるギャップ)を作ることを原則としたものにしたことも画期的な出来事でした。
ドリブルとは「パスの進化系」である
そもそも、ドリブルとはどういういった経緯で始まったのでしょうか?
最初に実施されたバスケットボールでは、ドリブルという技術は存在せずパスとシュートだけが存在していました。
では、ドリブルはどのようにして生まれたのかというと「床にパスをする」という着眼点から生まれたものなのです。
このような捉え方をした時、ドリブルは「パスが進化したもの」といった考え方もできるのではないでしょうか?
ゲーム中のドリブルに必要な”Efficiency”
しかし、ここで間違って考えられがちなのがドリブル一辺倒になってしまいパスが有効な状況を読み取れなくなってしまうことです。DDMのコンセプトは、ここもクリアできるように整理されていることも魅力の1つとなっています。
そして、私がDDMを遂行させるに当たって最も重要視しているのが”Efficiency”(効率性)になります。これは、無駄なドリブルを減らすためにしっかりとドリブル1つ1つに意味を持たせることを指しています。
写真:LAでのJasonの最初のトレーニング風景。ドリブルといえば、このコーチです。常に、ドリブルの意味とディフェンスを観ることの大切さを教えてくれます。
DDMにおける大原則は、
バスケットにアタックすること
適切なスペースを保つこと
ギャップを作ること
出典:Mads Olesen著 塚本鋼平訳(2018) ドリブルドライブモーションオフェンス グローバル教育出版
の3つです。
これらを現行の24秒ルールで実現するためには、無駄なドリブルを突く時間もスペースも存在しないのです。
そのために選手は、戦術的なグループトレーニングや文脈を持ったスキルトレーニングに励むことが必要となります。
DDMは選手としての成長を助けるためのシステム
そして、忘れてはならないのはこのシステムはただドリブルがうまくなるためのものではなく、選手の資質そのものにアプローチし、向上させていくシステムであるということです。
このシステムは、原理原則を理解し、個人のIQや判断力・スキルが向上すればチーム全体が向上するように設計されています。そのため、多くの育成年代のチームでも採用されるシステムとなっているのです。
もし、このコラムを読んで面白いな、取り入れてみたいなと思った方は日本でもDDMについて様々な書籍が出ているので、是非読んでみてください。
次回は、もう少しDDMについて私なりに掘り下げていきたいと思います!
文 : 後藤 祥太
編集・校閲 : 赤津 誠一郎
編集後記
後藤氏が触れた通り、川崎SSではDDMを主体としたオフェンスをベースに指導しています。
それを選択した理由は、川崎SSは「育成型クラブチーム」であるため、現状では部活やミニバス掛け持ちを基本としJBAには登録せず、毎回同じメンバーが揃うわけでもないので、効率的にバスケットボールを指導出来て、導入しやすいシステムが必要だったからです。
例えばDDMでは4アウト1インの形を基本としていますが、それぞれのポジションが実に明確です。
ガードポジションとコーナー、そしてボールと逆サイドのローポスト。
バリューワークスではウイングの位置を明確に指導していますが、コーナーに比べて曖昧になりやすいため、コーナーに立つことを指導すると、わかりやすくかつスペーシングの感覚が自然と身につきます。
プレイについてもサークルやバックドア、セーフティバルブ(ユーロ、リフト)など、
リアクション
を主体としたオフェンスに繋げやすく
ドリブルドライブからストップの基本を指導するにも最適です。
また、スリーポイントなどのアウトサイドショットやネイルからのフローター、スロットの活用など
私が指導したい、選手に身につけて頂きたい基礎が十分に詰めることが出来る戦術。
それがドリブルドライブモーションオフェンスでした。
後藤氏が今回のコラムで伝えている通り、私達はDDMに必要なスキルを全て伝えられる術をもっており、
それこそバリューワークスアライアンスだからこそ学ぶ事ができる私達の強みです。
とはいえ私は
キャッチファースト、パスセカンド、ドリブルラスト
の独自原則で指導しています。
これらの原則についてはバリューワークスの日々の練習や
【BODY HANDLING FOOTWORK TRAINING】
クリニックにてお伝えしております。
宣伝でした。
DDMを学びたいチームからのご相談もお待ちしております。
チームワークはもちろん、必要な個人スキルまでお伝えいたします。
Just Try It.
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