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レベルアップに欠かせない「ふり返り」とは? 【実践学園 森圭司 コラムVol.3】

2019.7.25

メタ認知能力

前回のコラムでは、非認知スキルのお話をさせていただきました。

 

今回は、その非認知スキルである「メタ認知能力」について考えていきたいと思います。

「メタ認知能力」をインターネットで検索すると、

 

「認知心理学の用語。自分の行動・考え方・性格などを別の立場から見て認識する活動をいう。(デジタル大辞泉より)」

 

と出てきます。

 

ここでは、メタ認知能力

 

「客観的な視点で、自分のことを分析できる力」

 

と簡単に定義して考えていきたいと思います。

つまり、体験活動(練習やゲーム)と省察活動(リフレクション・ふり返り)を1つのユニットとして、考えるべきだと思います。

 

日本のジュニア期の指導で多いのが、「クラブノート」「部活ノート」「バスケットノート」ではないでしょうか。

前の日の練習や試合を振り返る。ただ、その振り返りの質や方法をデザインするのは指導者の仕事です。

振り返り、リフレクションの方法などについては、今後のコラムでご紹介していきたいと思います。

 

できる選手・わかる選手

私は、指導しているチーム、お手伝いさせてもらっているスクールでは、

全国のトップレベルでも通用するであろう選手から、始めたばかりで知識も技術の習得も未成熟な選手など、

幅広い選手に携わっております。

ただ、どのカテゴリの選手でも、習熟度に限らず、「できる」選手、「わかる」選手の育成を目指しています。

 

例えば選手にはいつも、「分数のわり算」の話をします。

 

「1/2÷1/2は、どうやって解くの?」

 

「1/2×2/1、つまりひっくり返すよね?」と。

 

「じゃあ、何でひっくり返すのかな?」

 

答えは大体、「小学校の時の先生が言ったので」「そう習ったから」です。

 

問題は解けるけれど、その内容は説明できない。

つまり分数のかけ算は、「できる」のですが、「わかってはいない」のです。

 

「できる」と「わかる」の学習観。個人に注目した学習観として「行動主義学習観」と「認知主義学習観」があります。 先ほどの分数のわり算が非常にわかりやすい例で、「そうだったんだ」という納得感のように「理解(わかること)」を通した「知識の獲得」が認知主義学習観の特徴です。つまり学習の結果は、「わかる」ようになる、ということです。認知主義学習観の立場からは、行動主義学習観に対して、「できるだけでは、学習したとは言えない。わかること、理解することが重要でであるとしている。」その一方、「できればいいじゃないか」という価値観の受験勉強が未だ根強くある現状を見ると、社会的には「できること」のほうが、重要視されているのがわかる。学習の主流は、「できること」と「わかること」である。

「まなびを学ぶ」編:苅宿俊文・佐伯胖・高木光太郎)より引用

 

 

 

 

バスケットボール、スポーツでも同じ現象が多くあります。

 

なぜ、シュートはこう構えるの?

 

ドライブの時のスタンスは?

 

その知識や原理原則、理由や目的などを指導者がしっかりと学び、選手に伝える必要があります。

そして、その知識をもとに、試合に勝った、得点を何点取ったというだけでなく、シュートを決められなかったのは、

 

「どうしてかな?」「◯◯が出来ていなかったからだ」、「明日の練習の時は、〇〇を意識してみよう」

 

と自己を分析し、具体的なアクションを導き出し、チャレンジしてみる、

自己を調整していくこと、つまり「メタ認知能力」が必要になってきます。

 

振り返りのフレームワーク

また、有名なトヨタのカンバン方式では、「なぜ?」を5回繰り返すと言いますが、ジュニア期や学生には、

どうしたら、△や×が、◯になるかな?」という「How?」を問いかけ、導いてあげることが大切だと思います。

 

コーチ・指導者は、学習者である選手を、軌道修正し、火をつけ、導いていくことが職務ですので、

「昨日の試合、ふり返って反省書いておけよ」ではなく、「振り返りのフレームワーク」を作成し、それに基づいて、選手がふり返る習慣が大切だと思います。

 

そして、そのサイクルはトレーニングを積むことで、早く、深くなっていきます。

指導者もそのカテゴリや状況、レベル、時期、選手に応じて、フレームワークを見直していくことが重要だと思います。

そして、それを自分の言葉で説明できる、教えられるようになると実力ですよね。

 

昔から自然に、上級生が下級生に教える、2年目の社員が新入生を教える教育係の仕組みがありますよね。

それは理にかなっているのです。教わる方ではなく、教える側のレベルアップにつながるのです。

例えば、皆さんもご存知のラーニングピラミッドの観点からみても、

学習定着率が高いのもピラミッドの一番下の「教える」ですよね。

(ラーニングピラミッド(アメリカ国立訓練研究所が発表した学説といわれています))

 

また、ベネッセ教育総合研究所が、東京大学社会科学研究所と共同で実施した研究でも、

成績が上昇した高校生は、自分の学習を客観的にとらえる「メタ認知」を持っているという結果になったそうです。

(株式会社ベネッセ広報・IR部ニュースレターより)

 

ぜひ、皆さんも一緒に試合や練習のふり返りを見直し、

学習者である選手の「俯瞰して見る力」「メタ認知能力」を育て、「できる」「わかる」選手を育てていきましょう。

 

次回は、ふり返りのためのフレームワークを考えていきたいと思います。

 

文:森 圭司

編集・校閲:赤津 誠一郎



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著者情報

この記事の著者

アカデミックパートナー

森 圭司

Keiji Mori

【実践学園中学校 男子バスケットボール部Jr.Griffins】
監督&ヘッドコーチ

【主な経歴】
◯ヘッドコーチとして(外部指導員)
・高田中(東京都第3位1回)
・千登世橋中(東京都第3位2回、準優勝1回)

◯アシスタントコーチとして
・実践学園中(全国大会ベスト8・ベスト16各1回)

◯ヘッドコーチとして
・実践学園中(全国大会優勝3回、準優勝1回、第3位1回)
・ジュニアオールスター東京都選抜チーム(準優勝1回、第3位2回)

◯その他
・ナショナル育成キャンプU13-U15に学識者として参加(2017ー)

※一部抜粋

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