- こんにちは。バリューワークスの赤津です。
バリューワークスのトレーニング内容・考え方を共有することで、
誰かの問題の解決になることを願って、
「Skills & Drills」というカテゴリーで記事をアップしています。
不定期になりますが、成長のための
知識、態度、技術、習慣(KASH)
を伝えていきたいと思います。
バスケットボールを愛し、少しでも自分や我が子、仲間の成長をより良いものにしたい
コーチ、保護者、選手の方に読んで頂けたら幸いです。
基本的で当たり前のことかもしれませんが、
誰か1人にでも何か1つでも気づきを与えられたらと考えています。
考え方が違う、こうしたらもっと良いよ!試してみたら良かったよ!
等のご意見がありましたら、HPの問い合わせページやFacebook、Twitterでご連絡頂ください。
バリューワークスではどのような場合でも
「こういった方法もあるよ。1つの方法でしか無いよ。」
と伝えています。
「チームに帰ったらチームのやり方を実行してね。」
あくまでも、選手の引き出しを増やしたり、プレーの精度を高めることが目的です。
そうすることで、チームでも監督・コーチの理想を実現出来る選手が誕生すると考えています。
それでは本日もご一読頂けると幸いです。
解決したい課題
「俺(私)は頑張ってるのに、なんで皆頑張らないの?!」
「どうして負けたのに悔しくないの?」
自分自身が子供の頃にも経験しましたし、多くの保護者の方からの相談を受ける中で
必ず耳にする共通した悩みです。
社会人クラブチームレベルでもよく聞きます。
そんな時はコーチとして、保護者として、キャプテンとして、マネージャーとして
どのようにして選手達と向き合えば良いのでしょうか。
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解決の方向性
なぜやる気が無いと感じるのか?実際にやる気が無いのか聞いてみるのか。
人のせいにしてはいけないと説い教えてみるのか。
本人同士話し合わせてみるのか。
深掘りして直接課題の根治を目指すことも1つの方向性でしょう。
ただ、それだけでは蓋は出来ても解決したケースは見たことも聞いたこともありません。
実際は、自分の思い通りに行かない不満を他者に向けているだけだったり
1人だけ勝ちたい想いが強すぎた素直なだけの選手だったり。
直向きで純粋でチームの中でも光り輝く太陽のような重要な存在だからこそ
自分の中の影に気づけず、近くの仲間にだけ影を作り出してしまうように子供達を見ていると感じます。
ValueWorksではチームクリニック時にこのようなトラブルを事前に防ぐための予防策を必ず最初に取り入れています。
根治ではなく予防です。
今回はような課題を解決に向かわせるためには、その時点での解消を探るのではなく、
チームであるにもかかわらず見落としがちなことをしっかり定義することが大切になります。
そうすることで課題の悪化を押さえ、良いときは短期間で課題を解消していくことが出来ると考えています。
解決策
結論から2つ質問します。
即答出来なかったら、予防対策が出来ていない可能性があります。
解消のチャンスです。なるべく早めにチームで話し合ってみてください。
保護者の方にも是非考えて頂きたいです。
質問1
あなた自身であったり、選手達が所属するチームの具体的な目標は何ですか?
質問2
その目標は監督、コーチ、保護者、選手、チームに関わる全ての人と共有できていますか?
如何でしょうか。
今回の課題を解消するための予防策は
目標設定
を明確に行い、日々周知徹底していくことです。
目標設定というチーム作りの上流工程をうやむやにしてしまうと、
チームづくりの過程で徐々にチームはほころびを見せ始めます。
目標やゴールの曖昧な設定、浸透の欠落を改善する事がバリューワークスが提案する
「なんでみんながんばってくれないんだよ!」
問題を解消するための予防策となり、根治対応ともなります。
目標設定が何故予防策になるのか
チームとは一体何でしょうか。
ValueWorksではチームをこのように定義しています。
「“TEAM”にとってかけがえのない選手」を創りたい
バスケットボールは“TEAM”スポーツです。では、そもそも“TEAM”とは何でしょう?
野村元楽天監督は、その著書「負けの極意」にて
“TEAM”をこう定義していらっしゃいます。「チーム=TEAM」の語源は
Together
Everyone
Achievement
More
の頭文字をとったものだといわれる。すなわち、
「みんなで、一緒に、より多くのことを、達成する」
という意味だ。共通の目標のもとに、ひとりひとりがそれぞれの役割と責任を果たすことで
一丸となって取り組めば、
ひとりが行うより、はるかに大きな業績を残すことができる、
というわけである。
みんなで一緒により多くのことを達成して行くこと。
達成していくためには絶対的に必要なものが目標です。
その目標を共に達成しようと結束し挑戦し
良くも悪くも目標を基準として振り返りを行い、
また目標を立てみんなで一緒に達成を目指していける集団がチームだと考えています。
同じ目標を見ていなければ人それぞれ評価の基準も変わってしまい、
「なんで皆頑張ってくれないんだ」
という曖昧な不満が募っていきます。
目標設定に気をつけたいこと
ケース1:目標が曖昧になっている
曖昧な目標の1つに
全国優勝、県大会優勝等
があげられると思います。
意外だと思いますが、この目標設定は目的やビジョンに近い分野になると思います。
目的やビジョンは曖昧で良のですが、
目標が曖昧だと
如何に苦しい思いをするか、
如何に我慢をするか、
といったような苦行が正しいこととなり
「頑張らなかったから負けたんだろう」
という曖昧な責任の押しつけが始まります。
「負けたけどよくやったよ」
曖昧な振り返りにもつながってしまいます。
ケース2:目標が忘れ去れてれている
目標を立てても忘れてしまうこと。
毎日振り返る事が大切ですね。
ケース3:現実に見合った目標ではない
今期は200%売上げアップ!
会社でもよくありますよね。
目標の立て方
ここでは基本的な1つの方法をお伝えしたいと思います。
それは、順位という相対的な目標ではなく、
自分達で実現できる絶対的な目標を持つ事です。
ビジネス用語で言えば、KPIを立てることになります。
例えば、小学生低学年であれば1ヶ月後に
全員が毎日レイアップショットを10本打って5割決める、
8秒で12回のクロスオーバーを行う、
レッグスルーを8秒以内に10回連続で行う。
中学生であれば、全員がプルアップを90秒以内に30本打って6割決めれるようにする。
全員がスリーポイントを100秒以内に30本打って5割決めれるようにする。
時間、本数、確率等を数値化し、
チームが掲げる目的、ビジョンに近づく目標を定めてください。
自分達の努力次第で必ず達成出来る数値目標をコーチ、保護者、選手全員で掲げてみてることで、
仲間をフォローしたり、一緒に改善してみたり、
影で努力したりしてみんなで共に多くの事を達成するチームが作られていくと思います。
「なんで頑張らないんだよ!」
から
「どうしたらあの子が達成できるかな?」
に考えが変わったら最高です。
是非小さなこと、シンプルなことから段階的に数値目標を掲げてみてくださいね。
高校女子チームのケース
目標を共有し、共に達成を目指して行くことで、チームは作られていくものです。
バリューワークスでは2016年度にクリニックを行った高校生2チームにチーム目標を尋ねたところ、2チーム共に明確な目標がありませんでした。
ある高校女子チームでは先生と生徒で信頼関係が築けず
とてもチームと呼べるものではありませんでした。
「うちの選手はまったくやる気が無いんです。どうしたらいいですか?
先日も部員同士で喧嘩をして1人退部してしまいました。」
「喧嘩の理由は、みんなが真面目にやらないからです。」
それはそうなんです。
目標が無いのですから、各々別な方向に進みぶつかり続けるただの集団だったのです。
依頼を受けた初回のクリニックでは、私がファシリテーター(意見の活発な交換やスムーズな進行を促す)を務めることで、短時間で目標設定を行いました。
このときは定量的に順位目標も立て、定性的なドリブルスキルの目標を立てました。
「皆、次来るまでにはこのスキルが出来るようになろう!」
そうして、第一回目のクリニックは終了しました。
それにより、コーチも選手と共にスキルに挑戦し、みんなで目標を達成しようという動きが始まりました。
結果、先生からは
「チームが変わりました。私も生徒と一緒に目標達成に向けて頑張れています!!こんな空気は初めてです!」
と興奮した電話が掛かってきました。
そして、そのチームは同時に立てた順位目標を達成し、卒団の時に生徒から
「先生とバスケが出来て本当に良かった」
と言われたそうです。
辞めた部員の子も、2回目のクリニック前には生まれ変わったチームに復帰し、
仲間と共に目標達成に向けて励んでいたことがとても嬉しい光景でした。
目標を立てるために
私はチームのトラブルがあったりチームクリニックを受けると、必ず目標の存在有無を質問します。
そして、目標設定を促しますが、自分達でそれを成し遂げることはとても難しいです。
そんな時は第三者を呼んで目標設定をしてみてください。
特にシーズン途中でコーチと選手の関係がうまく行っていなかったり、
冒頭のようにチームにほころびが出来ているときこそ
外部の第三者と共に目標設定を行うことをおすすめします。
私では無くても良いです。
ビジネス経験豊富なバスケマンが世の中にはゴロゴロいますので、
是非そんな方との出会いを望んでみてくださいね。
選手は太陽じゃなくていい
バリューワークスでは1人1人の選手が太陽ではなく、
太陽に照らされ輝く星となり、
仲間と共に輝き誰かに感動を与える星座のようなチームを作って欲しいと思っています。
1人1人が意味を持ち、想い合い、線で結ばれていてほしいと願っています。
では、太陽には誰がなれば良いでしょうか。
そう、私達のコーチです。これは百歩譲っても曲げられない信念です。
コーチは太陽でなければなりません。
選手1人1人を情熱の焔で照らし最大限に輝かせる存在でなければならないと考えています。
もしも、コーチが情熱の焔を身にまとい子供達に情熱で灯りを届け続ける存在になれたら
冒頭で述べたようなどれだけ純粋で目立つ選手でも、不安定な太陽とならず、
仲間の影と共に太陽に照らされ自分の影に気がつく事ができます。
子供達の誰かが太陽になるのではなく、チームとして1つの星座になる事ができたら、
自分の影も光も、仲間の影も光も受け入れながら皆で一緒により多くのことを達成することが出来ると思います。
太陽は孤独な存在で、極めて危険な存在です。
暴走すれば、相手をを燃え尽きさせてしまい、自分も壊れてしまいますので
子供達には荷が重いと思います。
身近にいるコーチが太陽となり、感情をコントロールして、
いつまでも選手に情熱を灯し続ける存在でいてほしいと願います。
コーチこそ太陽であれ。
そんなことをロサンゼルスのコーチ達から学んだからこそ、
バリューワークスのコーチのTシャツカラーはスクールカラーのレッドではなく
太陽のように輝くイエローなのです。
イエローシャツを着るたびに
今日も照らすぞぉ〜
と気合いが入ります(^^)
最後に
本記事を故・竹原英明さんに捧げます。
この記事を書こうと決めた時に、バリューワークスのナビゲーターである竹原勝也の父、
竹原英明さんが他界されたと連絡がありました。
お父様の教えは子である竹さんを通じて、きっと私達の中で生き続けていると思います。
こうして、子供達に信念を持って指導出来るようになったのは
竹さんとの出会いがあったからこそです。
残念ながらお父様には生前はお会いすることがなく直接感謝の気持ちを伝えることが出来ませんでした。
お父様には素晴らしい子を育ててくれた感謝の意を表すとともに、
安らかにお眠り頂きたいとお祈り致します。
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