こんにちは!
先日行われたナイスゲームは皆さんもちろんみましたよね?
そう、先日行われた NCAA ACC カンファレンスゲームの最強の盾と矛のマッチアップ
Duke vs Virginia
の話です。
代表戦?
もちろん最高でした!!!
しかしながら、本日はNCAAの話をさせて頂ければと思います。
早速ですが、このゲームの見所は次の2点でした。
守りの堅いVirginiaディフェンスと
それを真正面から叩き割るDukeのオフェンス
そして、圧倒的な個を持つDukeのディフェンスに対する
Virginiaの数少ない優位性を活かした緻密なオフェンス戦略
それらの部分についつい見入ってしまい、寝不足になってしまいました、バリューワークスSDの後藤です。
長い挨拶となりましたが、代表戦とNCAAで得たエネルギーを元に、本日も戦略・戦術コラムをお届けしたいと思います。
注. 数日前にワールドカップ予選「日本 vs イラン」が開催されました。
前回は、「原則的プレー」をフレームワークにして「文脈化」を考えていきました。
今回は、戦略に見合った戦術を探るためにバスケットボールとはどんな競技なのかという部分に焦点を当てていきたいと思います。
バスケットボールの原理(競技特性)を考える
バスケットボールは、スポーツの学問的に分類すると
ゴール型ボールゲーム
というものに分類されます。他にもサッカーやハンドボールなどが同じ分類に所属します。
バスケットボールは、1891年にアメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドでYMCAスクールの体育教官だったジェームズ・ネイスミスによって考案されました。
最初に実施された時の人数は9人対9人だったそうです。
そこから、バスケットボールは5人対5人で行うようになり、その時から
①ゴールの構造(3m5㎝の高さ、リングの大きさ)
②フロアの広さ(スペースの広さ)
③ボールを手で扱うこと
という3つの構成要素は変わらず、今も変わらず私たちを熱狂させるスポーツです。
これらをまとめると、与えられたスペースの中で、いかにして3m5㎝の高さにあるゴールに手を使ってボールを入れ、得点できるかということがバスケットボールの特長と言えます。
それらを踏まえて、私はバスケットボールの原理(競技特性)をこのように考えていますので、ご紹介させてください。
バスケットボールは、固有のゴールにボールを入れるためにスペースを奪い、支配し合いながら得点を競う競技
したがって、私はチーム戦術において、自チームにとって有利なスペースを支配することをベースに戦術を組み立てていきます。
私がこれから戦術などをお伝えするにあたって前提としてお伝えさせて頂きたい事は、バスケットボールにおいてどれだけスペースが重要かということです。
例えば、バスケ初心者の選手が最初に起こす行動はボールを保有する人に周囲の選手が近づいてしまうことです。
または、誰にも保有されていないボールに全員で群がってしまう事です。
図1:バスケットボールの自然発生的なゲームの発達(個体発生) その①ボールに群がる
初心者から選手を育て上げるミニバスや部活のコーチはよく目にする日常の光景だと思います。
そうなると、ゴールとは程遠い所でのボールの奪い合いとなり、ルールの中でディフェンスを突破する技術を持ち合わせていませんから、一向に得点することなく、時間だけが過ぎてしまう事でしょう。
その様な場合に、多くの指導者が発する言葉は
「広がれー!!!」
ではないでしょうか。
図2:バスケットボールの個体発生 その②徐々に広がりを作るようになる
よって、誰しもがバスケットボールで大切な事は
スペースを作り、スペースを支配する事
であると共通の認識を無意識に持っている事でしょう。
スペースを支配することの重要性
では、バスケットボールにおいて有利で、重要なスペースとはどこに存在しているのでしょうか?
そう、それはもちろん、
一番ショット成功率の高いゴール下
とその周りにある
ペイントエリア
です。
このエリアにボールとオフェンスが侵入すると非常に多くのチャンスが生まれるようになります。
ディフェンス戦術は主にこの中央のエリアに相手を侵入させないために磨かれてきました。
また、オフェンス戦術もこのエリアからチャンスを作ること・得点を取ることを中心に据えて、発達してきたのです。
つまり、バスケットボールのグループ戦術は
ゴール下を含むペイントエリアを支配するための攻防
ということを軸に発展してきたと言えます。
最初にあげたDukeとVirginiaのゲームも、このペイントエリアをいかに守るのかという部分にフォーカスすると、Dukeは個の力による優位性を活かすためのコーナーにシューターを配置してのドリブルドライブモーションを主な戦術とし、Virginiaはそのドライブからペイントを死守するためのパックラインディフェンスを採用しているという構図が見えてくると思います。
長くなりましたので、本日はここまでとし、
次回からは今回の話を前提に、
どのように
ルールの変更などによってオフェンス・ディフェンスの攻防が発展していったのか
ということについて触れていきたいと思います。
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本日もご一読ありがとうございました。
編集後記
今回は少し問題提起をさせてください。
あくまでも私の意見であり、様々な角度からの議論が起これば幸いです。
こうした問題提起を行うと、議論ではなく私の粗探しや人格否定に走る方がいらっしゃるのですが、
あくまでも議論を行い、考えを交換し合ったり深めあうコミュニケーションが大切ですのでご理解下さい。
私、精神的に弱いのですぐに泣いちゃいます。
子供達にも良い社会性を身につけてもらえるように指導して参りたいと思います。
さて、戦術を語るにはバスケットボールの成り立ちを知る事が1番の近道となります。
そしてそれはミニバスケットボールとバスケットボールとでは重なる部分もありますし、異なる部分もあるでしょう。
NBA選手がそうだからと、ミニバス選手に競技と違った原理・原則から指導を始めると、
ミニバス競技では仲間に価値を与える選手にはなれないと私は考えています。
例えそれが将来に繋がるからということであっても、
ミニバスはミニバスであり、バスケットボールはバスケットボールである事を忘れてはいけません。
子供達がミニバスでバスケを始め、ミニバスで仲間と共に勝利を目指すのであれば、
その原理・原則に従い我々コーチは指導すべきでしょう。
主な事例として「飛ばすためのショット指導」が挙げられます。
その独特なショットフォームは、一番得点確率の高いゴール下で使えますか?
また、子供・大人に関わらず初心者に「飛ばすためのショット指導」から指導することは、
バスケットボールの原理・原則から外れているようにしか私は思えません。
たとえ、数割程度3Pの距離から入るようになったとしても、
ゴール下が空いていればそこが一番得点期待値の高い場所であるはずです。
3Pショットは私の実体験からも中学生になってからで十分に間に合います。
むしろ、体が出来てきてからバスケを始める中学生のほうがきれいなフォームで確率の高い3Pが打てることを
私は年間に2,000人以上指導する実体験の中で切に感じています。
私はシュートフォームを見ただけでその選手が何歳ごろからバスケを始めたのかをおおよそ見極めることができます。
主に「オフハンド」の位置で見極めることが可能です。
小学生で無理に飛ばそうとする場合、フォロースルーはワンハンドのように見えますが、
オフハンドがボールの下に位置するため、オフハンドでも投げている事が多々あります。
それは、ボールに変化球となる横回転を与え、ボールは飛ぶが左右に安定しないショットを生み出します。
中学生からバスケを始めた選手の場合、その傾向はあまり見受けられません。
ルールに存在しない3Pをゴール下で通用しないフォームで指導することにどれだけの意味があるでしょうか。
ラグビーをしている選手に、
「君は将来、よいバスケ選手になり得るから、ボールはバスケの様に扱いなさい」
と言っているようなものになります。
それはルールだけではなく、子供達はあくまでも子供であり、小さな大人ではないという事と忘れてはいけません。
流行りに踊らされず、子供達の成長や競技の特性に合わせて、
今何を成すべきかを我々コーチは真摯に考え、子供達の今をより良くできる、
子供達が未来をより良いものにできる力を身につけられるような指導心がけていきたいです。
そんな指導者をValueWorksでは育んで参りたいと思います。
ショットの飛距離を伸ばすには
頭の上から打たなければならない
という概念を外すだけで概ね結構です。
シューティングラインを辿りながら、届く位置からショットしてみてください。
ゴール下から通用する綺麗なフォームで、成長に合わせて是非飛距離を伸ばしてくださいね。
後藤コーチ、今回も素敵なコラムをありがとうございました。
文:後藤祥太
編集・校閲:赤津 誠一郎
コーチのために頑張って執筆してます↓↓
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