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リバウンドドリル構築(9)【大学HCの育成コラムVol.10】

2020.2.4

こんにちは。京都大学女子バスケットボール部の方城素和です。

今回も興味を持って頂きありがとうございます。

 

まだ実際に練習に取り入れてはいないのですが、リバウンド練習において新たな要素となりそうなテーマがありますので、紹介します。

 

リバウンド練習を行うときにサイズ差を考慮すべきか7・8分程度で見ていきます。

宜しくお願い致します。

 

リバウンドドリルで想定される状況

リバウンドドリルを作成する時に、試合でよく発生する状況をイメージされると思います。

 

以前紹介したヘルプサイドリバウンドドリルでは、逆サイドでシュートを打たれた・ウィークサイドにドライブが来てヘルプが発生した・ヘルプの後ローテーションが発生したなどを想定し、人数もバリエーションをつけました。

 

そして実際の練習では同じポジションの選手が前後になるようにしたり、人数が多いチームの場合はインサイド・アウトサイドに分かれて練習するかと思います。

 

私たちも1on1の練習ではポジションごとに行っていました。同じポジション・サイズの選手同士で行うことでこそ得られる効果は当然あります。しかし、それだけでは得られない効果があると今は考えています。

 

同じ、異なるポジション・サイズそれぞれで行った場合のメリット・デメリットについて考えてみます。

 

同じポジション・サイズで行った場合

 

メリット

・どちらにも同程度リバウンドを取れる可能性があるため、選手のモチベーションを保ちやすい

・マークマンチェンジが起きなかった場合を想定しやすい

・体格差が少ないため、負荷がかかりすぎにくい

 

デメリット

・同じ相手とやる機会が多くなり、刺激が少なくなる恐れがある

・自分よりサイズのある相手に対して準備不足となる

 

異なるポジション・サイズで行った場合

 

メリット

・小さい選手にとっては自分よりもサイズのある選手に対してどうするか工夫する余地がある

 

・大きい選手にとっては同ポジションと比較して楽な状況であることで、「とらなければいけない」という心理的なプレッシャーをかけることができる

 

・マークマンチェンジやマッチアップする相手とサイズに差がある場合を想定できる

 

デメリット

・小さい選手にとって取れる可能性が低くなる(または大きい選手にとって可能性が高くなる)ことで選手のモチベーションが保ちにくい

・体格差が大きいため負荷がかかりすぎる恐れがある

 

このようなメリット・デメリットを考えました。

ではどのように使い分ければいいでしょうか?またポイントはなんでしょうか?

 

同じポジション・サイズで行う場合

 

同じポジション・サイズで行った方がメリットを活かせる状況について考えてみます。

 

この場合リバウンドを取れる可能性が拮抗していることがメリットですので、1on1の方が複数人の状況よりも効果的であると考えられます。またマークマンチェンジが起きない場合を想定しやすいことを考えると、基礎的なドリルを導入するときなどに有効であると考えられます。

 

一方で同じ相手と毎回続けていたり、1on1の形式で少ないバリエーションのままだとモチベーションが低下していく恐れがあり、サイズの異なる相手に対して応用する経験を積むことができません。

 

異なるポジション・サイズで行う場合

 

同様に異なるポジション・サイズについて考えてみます。

この場合マークマンチェンジ後のシチュエーションを想定できることがメリットですので、そのような動きを入れてからボックスアウトするようなシチュエーションドリルの方が効果的であると考えられます。そのシチュエーションを作るには1on1よりも複数で行う方が容易だと思われます。

 

一方で体格差の影響を受けやすいため、長い時間ドリルを行い過ぎるとサイズのない選手に対する肉体的負担が大きくなる恐れがあります。

 

ただこの方法において一番の問題となってくるのが、

「大きい選手が簡単に取れ過ぎてしまい、お互いのモチベーションが上がらない」

ということです。

これについてはどうするべきでしょうか?

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